夏休み


夏休み



心の奥の 引き出しに 忘れかけていた言葉がありました。

「夏休み」・・・・・・・・

遠い昔 むせかえるような夏草の中で 

時のながれを忘れて 遊びまわったあの日 

里帰り やさしく迎えてくれたおばあちゃんの笑顔

蝉しぐれ  そして田舎の風景

私にも あなたにも

まちがいなく そんな時があったことを思い出していたら

なつかしい顔に 急に逢いたくなったりして ・・・・・・・・

お元気ですか。頑張っていますか。

大切なあなたに 心の夏休みを贈ります。  




 

      

若者 


              

一人でふらりと旅にでました。

旅の途中で 自転車にのった若者に会いました。 

テントを積んで 一人で1週間も旅をしているとのこと・・・・・・・

額にうかぶ 大粒の汗と

赤銅色に焼けた顔から こぼれる白い歯が

まぶしいくらいに素敵でした。

さわやかな若者の後ろ姿を見送りながら

過ぎ去ってしまった時の重みを感じて

空の青さがなぜか目にしみてしまいました。

はるか頭上を流れる あの雲の大きさに負けない

夢を持ちたいと思う 今日このごろです。




子ども


すべてを注ぎ込もうとする器にしては

彼らは あまりにも幼いのです。

未消化を承知で 注ぎ込めば 盛りこぼれるのは当然です。

その量の多さに右往左往している間に

彼らは 信じられない速さで大人になっていく・・・・・・・

一粒の雨垂れが やがて器を満たすように

彼らが ゆっくり大人になる時間を

辛抱強く 温かく見守る視線が失われようとしています。

子どもが見えるというのは

案外 そんなことなのかも知れません。 



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