今回のテーマは柳刃包丁エッジング。スキーのエッジを刃物と見立て、その使い方をこう呼んでいます。イメージはお寿司屋さん、柵から切り出すときのアレですね。当然、ネタだけに包丁をいれるわけで、まさかまな板までは切りません。必要なだけあてて必要なだけ引いてスッと切る。押して引く。見てて美しいなぁと思います。そんな動きをテレマークではどう使うのか。動画を作りましたのでまずはご覧ください。
なんとなくでも伝わりますかね? 必要なベクトルは二つ。一つは板をたわませる方向。言葉では「押す」「踏む」「乗る」「荷重する」「加重する」云々でしょうかね。もう一方は板を進める方向です。テールからトップに向かって、お刺身だったら反対ですが引くの動き。僕のテレマークの場合は外足の動きにその二つが表れます。もう片方の内足はどうかというと探って押す動きだけ。なので下動画を観ていただければ分かりやすいと思うのですが、「片足動いて片足止まってる」はまさに階段降りてる動きでそのまんま。下右動画では終盤の小回りに見てとりやすいでしょうか。
ターンの外足、テールからトップに向かって動いているのが分かりますかね。これが先の柳刃包丁エッジングです。ちなみにこの動きを可能にするにはヒールフリーであること、そしてローカットブーツ(足首が前後に動く)であることが条件となります。なのでアルペンだとちょっと無理(NZでさんざん練習させられました/外人はスネが長いので少しはデキル・・)。アルペンでこの動きができたらリッチー・ベルガーに近づけます(←たぶん)。一方で構造的にせっかく片足なり両足なりを引く動きのできるテレマークなのに、キメたテレマークポジションで「ぐぐぐぐぐっ・・」はもったいないと思います。外向とか外向傾、って言ったらもう「たわませる」だけのスキーで終了。。
上写真はアルペンでもテレマークでも一緒で左が外足荷重で右がその反対の内足荷重。沈んでいるから分かりますよね。これ、圧雪されたゲレンデだとさして不都合もないのですが、写真のような厚みのある雪の中であれば既にもう転んでます。原因は「たわんだ板は沈むの法則」により。厚みのある雪のなかでは押して(または荷重して)たわんだ板は沈みます(潜ります)。そして潜った板は失速します。時速10km/hがいきなり半分の5km/hになる感じ。つっかかりますよね。足が2本あるなら両方の足の速度は同じであることが望ましい(よね)。雪の厚みが一定ではない、もしくは見た目で分かりづらい山を滑るのにはこのアイディアが大事です。一方でわざと潜らせることでブレーキかける〜、という技もあります。こんなことは圧雪のゲレンデで練習してても想像できないし、後ろ足大事〜、もっと踏んで〜押さえて〜って言われても果たしてね??そもそも関節曲げながら「踏む」や「押す」ってどうなのかしら?あと母指球じゃ押せない、ってハクノリのなんとかさんが言ってたし→こちら
そして上写真は左がアルペンで右がテレマーク。設定はまずは厚みのある雪の環境下、同じ細板(太板ではない)で僕が滑った場合にどうなるか。アルペンだとまぁこうだろうな。テレマークだと、アルペンぐらいに一旦沈ませて〜といった滑りもできるけど、一方では写真のように薄皮一枚の上をそぉーっと、と言うモードの滑りも可。なぜかというと持ち前の可動域ゆえ→こちら。アルペンしか滑ってない人はまず分からない。そしてテレマークでも上下動テレマークポジション安定タイプの人には難しい、左右均等壮絶フラットなこの潜らせっぷりはいかがでしょ(↑上右写真凝視)。これができたら楽しくってクラスト探して歩くようになるよ(ホント)。テレマークはその可動域を使い、厚みのある雪をいかようにも調整できるのが利点。だから僕は山向きだと思う。一方でアルペンは潜ってしまうので一辺倒なジャンプに解決策を求めがち。ゆえにもう一つの解決策がファット板、というわけ。これなら沈まない。浮くわけだからゲレンデ状態キープで無問題。ただし凍った急斜面はムリだけど、、と言った次第。テレマークなのにファット履いてる人見るともったいないなぁーと思うのだけれど、それこそ技術が関係することなのでショウガナイ。以上が外足の動きに着眼した今回の〆。 次回は本丸、内足の動かし方かしら。んーー。。
まほろば倶楽部へ 
掲示板へ 
遊びの記録へ 
スキースクールへ