雑感バックナンバー13
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| 哲学者 | 
| 哲学・・・・そんなむずかしいものなど無縁だとだれもが思う。 | 
| だが、 | 
| 命とは・・・家族とは・・・幸せとは・・・自分とは・・・何だろう・・・・・ | 
| そんなことをほんの一時でも考えるようになったら | 
| 答えは見つからなくても、もう立派な”哲学者”である。 | 
| 哲学者になりそこねると、ただの老人になる。 | 
| 味 | 
| みんなそれぞれの”ぬくもり”の中へ帰って行く中で、 | 
| 一人取り残される淋しさがある。 | 
| できれば若いうちに味わっておくべき「人生の味」である。 | 
| 何度か味わうと | 
| 同じものを味わっている人が見えてくる。 | 
| 家族 | 
| 幸せの記憶を共有できるのが家族である。 | 
| みんなバラバラに散っても | 
| また集まればあの時の”幸せ”は、それぞれが持ち寄った断片で | 
| パズルのように組み立てられ、よみがえる。 | 
| 喜びや幸せを分かち合う営みは、 | 
| だれも気付かないが、家族が成立した日から始まっている。 | 
| 年寄り | 
| 笑え!と強いられるものには口を結んで笑わない。 | 
| 買え!と勧められるものには手をださない。 | 
| 騒げ!と迫るものは避けて通る・・・・・・・ | 
| 笑うも買うも騒ぐも、自分のやりたいときに、やりたいようにやる・・・・・ | 
| それが自立した”年寄り”である。 | 
| やさしい気持ち | 
| 生まれたものは恵みを育て、 | 
| やがて次の世代に命の種を残して消えていく・・・・ | 
| 花や野菜を育てていると、 | 
| 命の始まりや終わりと継承のドラマを目のあたりにする。 | 
| そんなものを毎日見ている人には、 | 
| きっと知らないうちにやさしい気持ちが育っている。 | 
| ウソ | 
| ウソでもいいからやさしい言葉を聞きたい・・・・ | 
| そんな気持ちになるときは、 | 
| ”やさしい言葉”がウソと見抜けない。 | 
| 追憶 | 
| どうしているだろうと気にはなるが、 | 
| もう会うことはないだろうと思える人がいる。 | 
| 年をとるというのは、 | 
| そんな人がいやでも増えていくことである。 | 
| 今日 | 
| 今日という一日にいったいどんな意味があったのだろう・・・・・ | 
| 流されて生きただけか、何か一つでも流れに逆らってみたか・・・ | 
| 自分らしい”事実”を一つでも創り出せたか・・・・・・ | 
| 未完成 | 
| ”未完成”でいいのです。 | 
| 完璧にできあがってしまうと、 | 
| あとは風化や劣化を待つだけになってしまいます。 | 
| ”不完成”ではなく、現在進行形なら | 
| ”未完成”は十分すぎる成果なのかもしれません。 | 
| 何とかここまではやれた・・・・・という意味で。 | 
| 願 | 
| 小さな幸せを手に入れて、満たされて、癒される・・・・・ | 
| そんな一日がまたありますように・・・・・ | 
| 終わり方 | 
| どういう終わり方をするか・・・ | 
| 考えたくなくても、それだけはしっかり見据えておこう。 | 
| 終わりの定まらない筋書きは退屈するだけだ。 | 
| 仕事も人生も・・・・・ | 
| 主張 | 
| 「言い訳」は不完全な自己弁護です。 | 
| 「釈明」と違うのは、 | 
| どこかに”後ろめたさ”があること・・・・・ | 
| 自分に非があると素直に認められない”卑怯さ”がひっかかり、 | 
| 歯切れと後味が悪くなるものです。 | 
| だから、どううまく言い逃れても | 
| 「言い訳」でことが丸く収まることはありません。 | 
| 素直に | 
| ありがたいと思いつつも、憎まれ口をたたいてしまう・・・・・ | 
| 好意をもってくれているのに、冷たくあしらってしまう・・・・・ | 
| ありがとう、と一言言えば済むことなのに、 | 
| 素直にふるまうのは思ったよりむずかしいものです。。 | 
| 関心 | 
| 他人の言動を見聞きして批判したくなるのは、 | 
| そのことに関心があるときだ。 | 
| 自分ならそうはしない、こうする・・・・ | 
| 興味も関心もないことには心も動かない。 | 
| 結果 | 
| 一度しかないチャンスを逃す損失はだれもが知っている。 | 
| それが一度しかないチャンスだったことは、 | 
| 二度目を期待してもだめだったときに初めて気がつく。 | 
| これっきり、という場面を逃すと | 
| あれっきり、という結果になる。 | 
| 郷愁 | 
| とりまく状況が厳しくなると、つい愚痴っぽく | 
| 「子どものころに戻りたい」などと言うことがある。。 | 
| あのころは純真無垢であった、という郷愁からであるが | 
| そうではなかったはずだ。 | 
| あのころにだって、打算やウソや逃避や挫折があった・・・・ | 
| 今の自分と比べればその程度がかわいいものだったというだけのこと。 | 
| 使って悪い言葉ではないが、 | 
| 根拠を美化してはならない。 | 
| 宝もの | 
| 邪魔だからと、捨ててしまっておいて | 
| 「大切なものだったのに・・・」と後で悔やむことがある。 | 
| ほかのことは忘れてしまっても、 | 
| 不思議にそのことだけは記憶に残っているとすれば・・・・それはおそらく | 
| 二度と手に入らない、ほんとうの「宝もの」だったのだ。 | 
| また・・・ | 
| またお会いしたいですね・・・・・・ | 
| 社交辞令ではなく、本心からそう思う相手に | 
| 最近めぐり合いましたか? | 
| 予感 | 
| 顔も見たくない相手とは、またどこかで再会する予感がする。 | 
| また会いたいと心から想う相手には、 | 
| もう二度と会えない予感がする。 | 
| 予感は、やがて実感になり、現実になる・・・・・ | 
| なぜだか、そんな予感がする。 | 
| 欲 | 
| 欲張って手に入れたものは、 | 
| ”欲”を出した分だけ | 
| 最初からさびついている。 | 
| だから | 
| こんなはずではなかったのに、と首をかしげ、 | 
| なぜもっと光らないのか!と腹が立つ。 | 
| 夢 | 
| 自給自足にあこがれるだって? | 
| 夢としてはわかる話だが、 | 
| これまでの我が国の何十年は | 
| そんな暮らしから逃げるために費やした年月ではなかったのか・・・ | 
| やってみればわかるが、夢見るほど甘い話ではない。 | 
| バカ | 
| 利口であることは大切だが、 | 
| 人間、バカにならなければ乗り越えられないこともある。 | 
| ”バカになる”とは、 | 
| 「だれかに見られている」ことも忘れて | 
| なりふりかまわず行動することである。 | 
| 利口な人間なら決してやらないだろうと思うことを、 | 
| あえてやることである。 | 
| 子どもたちへ | 
| お前たちの果たすべき役目がある。 | 
| しっかりよく生きて、お前たちの命をつなぎなさい。 | 
| そして | 
| 受け継がれ、つながってきた自分の命は、 | 
| 余すことなく、存分に生きなさい。 | 
| みんないずれ消えてはいくが、 | 
| この世に生きた証は、つないだ命の中に残っていくのだから | 
| 心配はいらない。 | 
| 父さん、母さんがそうであったように・・・・・・ | 
| 答え | 
| 「何のために勉強するのか」と問う君へ・・・・・ | 
| 知識は知恵を生み出し、知恵は工夫を生み、工夫は夢を生み出す。 | 
| よりよく生きたければこのつながりを大切にせよ。 | 
| 足がかりとなる“知識”をまず手に入れるために、 | 
| ”勉強”が在る。 | 
| 色 | 
| 歳を重ねながら生きていくのは、 | 
| 汚れていくことではない。 | 
| 純白だった布が、少しずつ「自分色」に染まっていくだけだ。 | 
| 若いころは混沌としていたが、ここまで生きてくると | 
| この世に二つとない自分だけの色になりつつある、とわかる。 | 
| うれしいことではないか。 | 
| 伝言 | 
| 名もなく、貧しく、美しく・・・・・ | 
| それでいい、とくくれる腹を持て。 | 
| あるがまま、足りていると思える日々を過ごせ。 | 
| 望むものはそれだけでいい。 | 
| 蓮(ハス) | 
| だれもきれいだとは思わない泥水の中に | 
| だれもがきれいだと思う花が咲く。 | 
| 問題 | 
| もっと続いてほしいと思う平穏は長く続かず、 | 
| ”心配のタネ”はいやになるほど次々と容赦なくやってくるもの・・・・ | 
| 身の不運を嘆きたくもなるが、 | 
| 最善を尽くしていけば、どんな問題も必ず何とかなる。 | 
| 解決を迫ってくるのはそれが可能だからであって、 | 
| 解決できない問題は、はじめから近寄っては来ない。 | 
| 決意 | 
| ”決意”はだれにでもできる。 | 
| 決意を”成果”にするには、 | 
| 決意したことを忘れるまで打ち込むことだ。 | 
| 盛り | 
| ”盛り”とは、そのときが最適の時期だということ・・・ | 
| すべて命あるものには例外なくそんな時期がある。 | 
| 命をつなぐために用意された、誰もが等しく輝く時間だったのだ、と | 
| 終わってみると、よくわかる。 | 
| 許される | 
| ”さみしがりや”・・・・・ | 
| こんな言葉、いったいだれが作ったのでしょうね。 | 
| さびしさを感じない人間はいないし、 | 
| だれだって、一人は心細いものです。 | 
| 深刻な孤独も、そんな軽い響きで呼ぶことで | 
| 少しは楽になるのでしょうか。 | 
| ごまかしてはいけない自分の心ですが、 | 
| さびしさだけはこんな言葉でごまかしてもいいのかもしれません。 | 
| 親 | 
| 「子どもは親を選べない」なんて言うが、 | 
| ありゃウソだね。 | 
| 子どもは親を選んで生まれてくる。 | 
| 偽装 | 
| どうせ・・・・・・ | 
| そのあとにどんな言葉が続こうと、 | 
| それは、本心をかくすための偽装工作である。 | 
| 我が子には | 
| 我が子には、欲しいとねだる物の半分を与えなさい。 | 
| 口には出さないが欲しいと思いつつ健気に我慢しているものがあれば | 
| すべて与えなさい。 | 
| 我が子には、 | 
| 自分が子どもであることが幸せだと感じられる時間を | 
| ケチケチしないで存分に与えてやりなさい。 | 
| ”子ども心”は、親であるあなたたちがだれよりもよく分かっているのだから、 | 
| 親のあなたたちにしかできないことです。 | 
| 目 | 
| 公衆の場でふざける我が子を叱る親がいる。 | 
| 声や言葉はそれらしく聞こえても | 
| ”目”が怒っていない。 | 
| だから、子どもは言うことを聞かない。 | 
| 子どもは親の”目”をみている。 | 
| 忘れずに・・・ | 
| やさしい人間になりたければ | 
| 傷つき、倒れてみることです。 | 
| そして | 
| やっとの思いで立ち上がったときに見えた光や風や声を、 | 
| 忘れずにいることです。 | 
| なにゆえに・・・ | 
| 水筒に残った水の最後の一滴を | 
| 子どもの前で飲み干す親はいない。 | 
| 結果 | 
| はっきりしているのは、 | 
| やってみたけどだめだったことと、 | 
| だめだと思ってやらなかったことは、 | 
| いつかどこかで交錯し、 | 
| そのちがいの、あまりに大きかったことに驚くということです。 | 
| 多くの場合、気づいたときにはもう遅いのですが・・・・ | 
| 掟 | 
| 見たくないから目をそむけ、背を向けて逃げてきた・・・ | 
| もしもそうなら、 | 
| そろそろ前をむいて力の限り「戦う」ときではないのか。 | 
| 欲しいものは戦って手に入れる・・・ | 
| それは太古の昔から地表に生きる者たちの掟だったはずだ。 | 
| 初対面 | 
| 初対面で好印象を与える人がいます。 | 
| 自分の見る目はきっと狂っていない、と思えるなら、 | 
| その人の物腰や言葉のなかに | 
| 自分が大事にしているものと共通した”何か”を見つけたのですね。 | 
| だから | 
| その人と似たようなものがきっと自分の中にもあるはずです。 | 
| 自分の目を信じてもよいでしょう。 | 
| 今 | 
| 「過去」はとっくに離れていきました。 | 
| 「未来」はまだ遠くてよく見えません。 | 
| 手元にあって、よく見えて、しかも変えられるもの・・・・・ | 
| それは「今」でしょう。 | 
| ”思い出”や”夢”などと美しい言葉で飾らなくても、 | 
| 今のこのとき、きょうという一日が | 
| 限りなくいとおしいと思える暮らしをしたいものです。 | 
| 捨てる | 
| 今までとちがう新しい生活を望むなら、 | 
| いかに大切なものであっても、 | 
| かわりに何かを捨てなければなりません。 | 
| 捨てるものを間違うと、 | 
| 新しい生活のつもりが、 | 
| これまでの焼き直しをしているだけになってしまいます。 | 
| 一人で | 
| 人生の同じタイミングにいる多くの人たちがいる・・・・ | 
| 同じ今のこの時を生きている多くの人たちがいる・・・・・ | 
| 互いに顔も名前も知らないが、 | 
| そんな多くの人たちと確かに同じ場所に立って同じ方向を見ている・・・・ | 
| 重ねて言う。 | 
| 一人でこの場に立っているのではない・・・・・・ | 
| 眼光 | 
| 充実した“老後”をむかえる秘訣は | 
| ”老人”にならないことです。 | 
| 老いてはいくが、その老いにふさわしい”眼光”だけは保ち続けて、 | 
| ひとくくりに「老人」と呼ばれる仲間には決して入らないことです。 | 
| 失礼 | 
| 今朝、近くの森でキツツキの木をたたく音を聞きました。 | 
| コンコンコンと、そこら中に乾いた音を響かせていました。 | 
| キツツキの仲間のアカゲラは、 | 
| 半年で一万匹もの害虫を食べるのだそうです。 | 
| 彼らの住む場所を勝手に奪っておいて | 
| 害虫が増えた、などと言っては、 | 
| 彼らに失礼な話です。 | 
| 杖 | 
| 今欲しいのは立ち上がるために必要な「杖」なのに | 
| それを渡さず、「倒れたら立ち上がれ!」と口で言うのは | 
| 励ましにはなっていない。 | 
| 細い棒っきれ一本でもいいから、 | 
| 欲しがっている「杖」を渡せ。 | 
| 雨 | 
| どんな人の人生にも | 
| 雨の日はある。 | 
| うまくいかないのは、”今日は雨が降っている”からで、 | 
| あなたのせいではない。 | 
| 向かい風 | 
| 風が吹いてくる・・・・・ | 
| 気持ちがよくて、楽ではあるが、 | 
| いつも後ろから押してくれる追い風ばかりを頼りにしていると、 | 
| 帆を操る技術が身につかず、 | 
| 荒海を乗り切る船の船長にはなれない。 | 
| 少しくらい”向かい風”が吹かないと | 
| 船も人生もおもしろくないだろう。 | 
| 言い訳 | 
| うまくいかなかった理由はいくつか思い当たる。 | 
| 中には確かに不可抗力の理由もあるだろう。 | 
| 成熟した人間は、 | 
| それらを決して他者の責任にしない。 | 
| 未熟な、幼い人間が | 
| つべこべと言い訳を口走る。 | 
| 孤高 | 
| 富士山を見て感動するのは、 | 
| その山容が美しいからだけではない。 | 
| 周囲に引き連れる山を持たず、孤高を守るその気高さが | 
| 心を打つのだ。 | 
| だれも目を向けてくれなくても、たった一人でもいい。、 | 
| こころざしや信念を鍛えれば | 
| それだけで十分に美しい。 | 
| 日記 | 
| 過去に引きずられたり、とらわれたりしたくなければ | 
| 日記を書くことです。 | 
| 日々の記録の中に思うことを余さず書くことで | 
| そのことはきっぱりと決着させる・・・・ | 
| 日記とは、 | 
| 過去を懐かしむためではなく、 | 
| 過去と訣別するために書くものです。 | 
| 会話 | 
| まあ、こんなものでしょうか。 | 
| そうですね、まあ、そんなものでしょう・・・・・ | 
| 仕事、恋愛、人生・・・・ | 
| ことが難しくなればなるほど | 
| 達人たちの会話はこれに落ち着く。 | 
| 過去 | 
| 思い出して、なつかしんで、ため息をつく・・・・・ | 
| 過去はそれで終わりにしましょう。 | 
| 自省 | 
| よく観察をしてみると、人間には | 
| 行き着く先を見上げたり、深く掘り下げながら「縦に生きる」人と、 | 
| 広がりやつながりを探りながら「横に生きる」人がいる。 | 
| 「あんな生き方ができたらいいな」と | 
| 互いに相手の生き方に“あこがれ”は感じながらも | 
| 自分の縦、横を変えることはむずかしい。 | 
| ”縦横無尽”に生きる人はまれである。 | 
| 収納 | 
| 片付けの上手な人は、自分では気付かないが、 | 
| 頭の中や心の中もきれいに整理されている。 | 
| だから、 | 
| 新しいものを取り入れるときも、古いものを捨てるときも苦労はしない。 | 
| 大切な記憶や忘れ得ぬ人との思い出も、 | 
| どこにしまっておくかを間違えないから、 | 
| どこにあるかも間違えない。 | 
| 傷 | 
| 熱湯で負った火傷は、 | 
| ぬるま湯で負った火傷よりも早く治ると言います。 | 
| 心に受けた傷もきっと同じです。 | 
| 悲鳴をあげたくなる”痛み”は、 | 
| こわれたところを修復し始めた合図です。 | 
| 言葉 | 
| 世界で活躍する女性のオーケストラ指揮者西本智実さんの言葉・・・・・ | 
      暗やみの時ほど、  | 
    
| 星ははっきりと見える・・・・ | 
| 足音 | 
| 「幸せ」は | 
| 逃げていく足音だけはやけに大きく聞こえるのですが、 | 
| やってくる足音はなかなか聞こえないものです。 | 
| だから、 | 
| 今、何も聞こえなくても | 
| 心配はいりません。 | 
| あっぱれ | 
| 木の種は落ちる場所を選べない。 | 
| 風に運んでもらうことも、はじけて遠くに飛ぶこともできないが、 | 
| そこがどんな過酷な環境でも、命を全うするために懸命に生きようとする。 | 
| コンクリートの割れ目に落ちて、 | 
| 「何でこんなところで生きなきゃならないんだ!」などと | 
| 情けない愚痴をこぼすこともない。 | 
| あっぱれな生き方である。 | 
| 顧みて、おのれはどうか・・・・・ | 
| まっ白い時 | 
| 君にだって子どものころがあったはず・・・・・ | 
| 無垢で、純情で、まっ白い時があった・・・・ | 
| どこで道をまちがえたのだろう、などと思わないでほしい。 | 
| あのころに描いた自分とはちがったかも知れないが、 | 
| あのまっ白い時があったから、今のこの自分があると思わないか? | 
| どんな絵でも描ける純白のキャンバスを、 | 
| あのころせっせと作っていたんだと思う。 | 
| 納得 | 
| なかなか思うようにはいかないものです。 | 
| 欲しいものは逃げていき、望まないものがやってくる・・・・ | 
| ため息をついたり、天を見上げたりしながら | 
| 「どうしてなのだろう」と落ち込んだりもするのですが、 | 
| 世の中、そういうものなのかも知れません。 | 
| 文句を言う相手もわからないので、 | 
| そう思うことにしています。 | 
| できること | 
| つべこべ言わず、 | 
| とにかく最善を尽くすことです。 | 
| ”最善”とは、 | 
| 今のあなたにできる精一杯の誠意です。 | 
| 臆病 | 
| 一度手痛い失敗をすれば、だれだって臆病になる。 | 
| つらい、苦しい時間だったことがなかなか忘れられないからだ。 | 
| だから、無理をしてそんな自分を責めることはない。 | 
| 多少時間はかかるが、 | 
| ”臆病”はやがて”慎重”に変わり、最後には”自信”になる。 | 
| 「二度と同じ失敗はしない」と覚悟ができた者を | 
| 臆病だとは、もはや誰も言わないだろう。 | 
| 優劣 | 
| 外見の違いはあっても、 | 
| 人間の能力や人柄、個性にはもともと優劣などない。 | 
| それなのに、 | 
| 上だ、下だ、勝った、負けた、などと騒ぐのは、 | 
| 目と鼻が機能の優劣を競うようなもの・・・・・・ | 
| 意味がない。 | 
| 先生 | 
| 世に”先生”と呼ばれる人たちがいる。 | 
| 医師、弁護士、教師・・・これらは職業の特質でそう呼ばれる。 | 
| 国会議員・・・他に呼び方がないからそう呼ぶ。 | 
| 教えや訓育を受けた人・・・本来の意味はこれであった。 | 
| ふだん”先生”と呼ぶ相手を思い出してみるとよい。 | 
| 尊敬と敬意の代名詞にあてはまる人か否か・・・・・ | 
| 配列 | 
| うれしいこと、いやなこと、さびしいこと、つらいことなどは | 
| みんな一つひとつがあまりに深刻なので | 
| それぞれは別のものだと思いがちだが、 | 
| 実は連続した線の上に並んでいて、順に姿を見せているだけだ。 | 
| 組み合わせの数はおそらく天文学的な数字になるだろう。 | 
| だがその配列は一人ひとりに固有のものだ。 | 
| 人はその自分固有の配列を「運命」と呼び、 | 
| 目の前に次々に姿を見せる、それらを総称して「人生」と呼ぶ。 | 
| 陽光 | 
| 日陰をはなれて陽光を浴びなさい。 | 
| わたしが小さな「細胞」であった太古の昔から | 
| 立ち上がり、伸びていくためにその力を借りてきたではないか。 | 
| むしゃくしゃしたり、くよくよしたりするときには | 
| 陽光を体いっぱいに浴びなさい。 | 
| 日陰にいては「細胞」も動けない。 | 
| 心をこめて・・・ | 
| 心をこめて作られたものは黙っていても輝く。 | 
| 心をこめて書かれた文章はたとえ拙くても胸を打つ。 | 
| 心をこめて用意されたものはみな温かい。 | 
| ”心をこめる”とは、 | 
| 相手を思いやること、 | 
| それを手にする相手に何かを伝えようとする願いだ。 | 
| どんなに才能や能力があっても | 
| 伝える願いもなく、思いやる相手もいない者には | 
| とうてい真似はできない。 | 
| 自戒 | 
| 自分の足場と生き方は鮮明にする。 | 
| だが、それを他のだれかに押しつけたりしてはならない・・・・ | 
| ”人それぞれ”というのは、 | 
| 自分にとっての「一つ」をだいじにするとともに、 | 
| だれかの「一つ」もだいじにすることである。 | 
| 資格 | 
| そのように生きている、そのようにしか生きられない理由がだれにもある。 | 
| 「なぜ?」と問うのはやめておきなさい。 | 
| 問う側の何倍、何十倍も深く、重く、長く自分に問い続けてきたはずだ、と | 
| 察しがつかないような“未熟者”に、 | 
| そんな魂をえぐるような問いを興味半分で投げかける資格はない。 | 
| 教訓 | 
| 人生は振り返るものではない。 | 
| 一つずつ前につくっていくものだ。 | 
| どんなにいとおしく、胸の熱くなる過去があっても、 | 
| それは、望んでもつかめない虹のようなもの・・・・ | 
| もう二度と手の届かないところにあるのだから、と言い聞かせて、 | 
| きのう積んだ石を愛でるより、 | 
| あす積む石をさがせ。 | 
| 感謝 | 
| どこにいてもいい。 | 
| 何をしていてもいい。 | 
| 他人になり変わることはできないのだから、 | 
| どんなことがあっても | 
| 「わたし」は”わたし”といっしょに最期までがんばる・・・・ | 
| そう思うことが | 
| 愚痴や文句も言わず、ついてきてくれる”わたし”への | 
| 感謝の気持ちになる。 | 
| ただの・・・・ | 
| ”わすれもの”は、 | 
| 「忘れた」と思い出したときに”わすれもの”になる。 | 
| 思い出さなければ、ただの紛失か消滅である。 | 
| ”大切な人”は、 | 
| 出会って心が通ったときに”大切な人”になる。 | 
| 出会わなければ、ただの人である。 | 
| ページ | 
| 本を読みながらページをめくるのは、 | 
| 次のページに話が続いていることを疑わないからだ。 | 
| ”人生”という本は、そういう約束で成り立っていないので、 | 
| 次をめくると思いがけない話になることがある。 | 
| それが怖くてめくれないこともあるが、 | 
| めくってみないとおもしろい話には巡り会えない。 | 
| 後の祭り | 
| こんな結果になるのなら、あのときこうしておけばよかった・・・・ | 
| 一段落したあとでだれもがそう思う。 | 
| 巷では愚かなこととして”後の祭り”と呼ぶが、 | 
| バカを言っちゃいけない、それが人間だ。 | 
| はじめから最善の方法がわかっているなら | 
| だれも苦労や後悔などしないだろう。 | 
| たとえ愚かでもそんな”後の祭り”を性懲りもなく繰り返すのが人間だ。 | 
| 何度も繰り返した人ならわかる話だ。 | 
| 匂い | 
| 太陽が放出するのは光と熱だけではない。 | 
| ”匂い”も放っている。 | 
| そのことがよく分かるのは、干した布団にくるまれた時だ。 | 
| ふだんはしない、干し草に似た匂いがするだろう。 | 
| 何をバカな、あれは中の綿の匂いだ・・・などと言うことなかれ。 | 
| 太陽にも匂いがある、と幼い頃に教えられた人間は、 | 
| 天気がよい日に、布団が干したくなる。 | 
| 心 | 
| つかみどころのない字だが、「心」という字を書いてみよう。 | 
| 書けたままのものが自分の中にある。 | 
| 善良 | 
| 腹が立って、「二度と口はきくまい」と思った相手と | 
| いつの間にか親しげに会話を交わしている・・・・・ | 
| 考えてみれば不思議な現象ですが、 | 
| 当の本人はそんな決意などとっくに忘却の彼方・・・・・ | 
| 人間はあきれるほど善良にできているようです。 | 
| 一生 | 
| 一匹のみつばちが生涯かけて集められる蜜は、 | 
| ティースプーン一杯分だという。 | 
| 彼の”一生”をわずか一口でいただいている。 | 
| 至福 | 
| 「至福のひととき」と言える時間を持つには、 | 
| それなりの努力が必要だ。 | 
| 解放され、満たされる時間は、座して待ってもやっては来ない。 | 
| 自分を見つめ、自分と対話する努力もしないで | 
| 至福だと言える時間を求めるのは虫がよすぎる。 | 
| 審判 | 
| アウトかセーフか・・・・その中間はない。 | 
| 人生の節目ではその判断を下す審判の役目を | 
| 自分でやらなければならないことがある。 | 
| ミスジャッジは、そのあとの試合結果に大きく響くし、 | 
| 一度下した判定は、ほとんどの場合、くつがえることはない。 | 
| 怖くても、やりたくなくても、 | 
| 審判になることを迫られる場面がある。 | 
| 城壁 | 
| 攻めてくる敵もいないのに、やたらと高い城壁をつくる人がいる。 | 
| 周囲の人たちは、 | 
| 何から身を守るのだろう・・とあきれながら | 
| その城壁を見上げている。 | 
| 感謝 | 
| 今日の幸運や幸せが明日も続くとは限らないが、 | 
| 今日の幸せがないと、 | 
| 明日の幸せは願うことすらできない。 | 
| 話 | 
| ただうるさいだけだから | 
| わめきたてる話には耳を貸さない。 | 
| 当人にとっていくら興奮する一大事でも | 
| 大声でわめきちらされるのは迷惑千万・・・・ | 
| 大切な話は静かに話すものだ。 | 
| 胸に落ちる話ならそれでもちゃんと耳に入ってくる。 | 
| 決断 | 
| 決断を鈍らせる”荷物”をかかえているなら、、 | 
| 対応は二つしかない。 | 
| それでも目をつぶって決断するか、思い切って荷物を捨てるか・・・・・ | 
| どちらも容易いことではないが、 | 
| 決断できずにオロオロ、もたもたしている自分が情けないと思うなら、 | 
| まずはこの二者の選択を決断することだ。 | 
| それもできないなら、所詮あなたの手に負える話ではなかったので、 | 
| この話はなかったことにしておいたほうがよい。 | 
| 意思 | 
| 身の回りを見ながら考えてみると、 | 
| 社会生活は”人間関係のわずらわしさ”で成り立っている。 | 
| たとえ目的が同じでも他人どうしが行動や生活を共にするのだから | 
| 仕事、地域、学校・・・・どこにいても”わずらわしさ”はついてまわるもの。 | 
| それはしかたがない。 | 
| ”わずらわしさ”を”苦痛”にしないためにも、 | 
| 「人は人、わたしはわたし」を貫ける、密かで強固な意思を固めることだ。 | 
| 話 | 
| 考えて決断をするのはどんな場合も君自身だ。 | 
| わたしの話はヒントだと思ってもらえればいい。 | 
| これがわたしにできる、せめてもの”恩返し”だが、 | 
| ヒントにもならなければ、 | 
| 躊躇なく捨ててもらってかまわない。 | 
| それを決めるのも君自身だ。 | 
| 方法 | 
| 不老不死の妙薬はないが、 | 
| ”適老適死”と言える方法ならある。 | 
| 残された人生の長短を問わず、「よく生きる」ことだ。 | 
| 行きたい所へ行き、やりたいことをやり、 | 
| 会いたい人に会い、欲しいものを求め、 | 
| だれかの役に立つことを一つでもやりとげ、 | 
| 思い残すことをできるだけ少なくして、 | 
| 十分によく生きた・・・と言える人生にすることだ。 | 
| かもしれない | 
| ”そうならないかもしれない”ことを、 | 
| 「もしそうなったらどうしよう・・・」と悩み過ぎるのはバカげている。 | 
| ”そうなるかもしれない”ことを、 | 
| 「そうならない」と決めて備えを怠るのは | 
| バカげているだけでなく、痛い目にあう。 | 
| ”かもしれない”ものへの備えを見れば、 | 
| その人間がおよそわかる。 | 
| 未熟 | 
| 「へぇ、あの人がそんなことを?・・・」と驚く。 | 
| ”その人”にとっては別に不自然でも、意外なことでもなかった。 | 
| 前々からやりたいと思っていたことをやっただけのこと・・・・・ | 
| そんなことをするような人ではない、と見ていた自分の目が | 
| 未熟であったということになる。 | 
| よくある話だ。 | 
| 助言 | 
| 大変でしょうが、やるしかないでしょうね。 | 
| 愚痴は聞いてもかまいませんが、それでは解決になりませんよ。 | 
| やれない人間だと見られているなら、そんな話は来ないはずですから、 | 
| きっと何か”見込み”がある奴だと評価されたのです。 | 
| ”やってみろ”と言われているのですから、 | 
| つべこべ言わずに腹をすえて、やってみたらどうですか。 | 
| 自己点検 | 
| いやなものを“いや”と言うことがどれほどむずかしいことか・・・・ | 
| だれもが身にしみて経験している。 | 
| それなのに、 | 
| ”いや”と言わせない押し付けを他人に強いてはいないか。 | 
| その自己点検を怠ると、 | 
| ついてきているはずの部下たちが | 
| うしろを振り返ると一人もいない結果となる。 | 
| うしろ姿 | 
| うしろ姿はよく見かけるが、正面からちゃんと見ることの少ない人がいる。 | 
| 正面から一度見てみたいと思う人は、 | 
| うしろ姿にきっと魅力を感じる人だ。 | 
| 顔や素性などわからなくても、その気になれば | 
| うしろ姿で人はわかる。 | 
| 潮時 | 
| もういいだろう、我ながらよくやった・・・・ | 
| そう思うときが”潮時”だ。 | 
| からっぽになるのではなく、何かで満たされたときを | 
| ”潮時”という。 | 
| 相場 | 
| 楽しくはないが楽をしたければ”近道”、 | 
| 楽ではないが楽しみたければ”回り道”と | 
| 昔から相場はきまっている。 | 
| 不言実行 | 
| こんなことをするつもりだ、こんな計画を持っている、と言いながら、 | 
| 一向に実現したという話を聞かない人がいる。 | 
| まあ、”夢”だと考えればそれもいいのだが、 | 
| 昔から「不言実行」という言葉もあるように、 | 
| 「やる」と決めたことはそれなりにチャレンジしておかないと、 | 
| そのうち誰も耳を貸さなくなる。 | 
| 出来ないかも知れないのなら、やたら周囲にもらさないことだ。 | 
| 「軽い人間だ」と言われたくなければ・・・・・・ | 
| 部下 | 
| ”理想の上司”という言葉はあるのに、 | 
| ”理想の部下”とは言わない。 | 
| 何ゆえ?・・・・・・ | 
| そんなものはあり得ないからだ。 | 
| だから、部下を持つ者は | 
| 人徳ではなく、「権威」で掌握する仕組みになっている。 | 
| ほえる | 
| 臆病で弱い犬ほどよくほえる。 | 
| ほえる以外に自分を強く見せる術を知らないからだ。 | 
| ほんとうに強い犬は、やたらとほえたりはしない。 | 
| 静かでもその存在感で他の犬を圧倒する・・・・・ | 
| 周囲にやたらと”ほえる”人はいないか? | 
| 筋 | 
| どんなことでもいいから、 | 
| 一本筋を通すことですね。 | 
| これだけは決して揺らがない、ブレない・・・・ | 
| そんな筋のある人は、見ていて気持ちがいいものです。 | 
| “筋”とは”信念”のことを言います。 | 
| 持つなら岩をも貫き通す”信念”にしたいものですね。 | 
| ケリ | 
| わがままとわがままがぶつかって、うまくいくことはまれです。 | 
| どちらかが折れるか、引くかしないと収まりません。 | 
| そんなことはいやだ、と互いに言い張る関係は | 
| やがて双方相討ちでケリがつきます。 | 
| 反骨 | 
| 「見ろ!」と言われたから見るのでは、おもしろくありません。 | 
| 「見るな!」と言われても見るから、おもしろくなるのです。 | 
| 見せたくない”わけ”を見るのが、おもしろいのです。 | 
| 風潮 | 
| スマートでおしゃれでカッコよく見えることに価値がある・・・・ | 
| 最近の世の中を見ているとそんな風潮が目につきます。 | 
| ほんとうにそうですか? | 
| 大切なものを守り、自分を築き磨く営みは | 
| たいていぶざまで、不器用でカッコ悪いものなのですが・・・・・ | 
| なりふり構わず汗を流し、汚れ、悪戦苦闘することにこそ価値がある、と | 
| いったい誰が教えるのでしょうね。 | 
| 正答 | 
| いくら考えても埒があかないときは、 | 
| 答えはすでに出ている。 | 
| ただ、その答えを受け入れたくないので、 | 
| 何かもっと他にないか、と思案しているだけだ。 | 
| ”解答”を知っているが故の悩みでもある。 | 
| 他に思い浮かばないのなら、その答えでやってみるしかないだろう。 | 
| ”解答”かならずしも”正答”ならず・・・・・ではあるが、 | 
| ”正答”はどんな試験でも結果の発表を待たなければわからないものだ。 | 
| 一歩 | 
| さあ、これからどうする?・・・と問われているのだから | 
| 答えは言葉でなく、歩きだす一歩で示しなさい。 | 
| ああしたい、こうもしてみたい・・・などというセリフはもういい。 | 
| めざす方向に踏み出した一歩を見せてもらえれば | 
| すべてがわかる。 |