タカネマツムシソウ 「高嶺松虫草」 マツムシソウ科 八方尾根 7/28
 一般的なマツムシソウは秋の花。和名の由来は「松虫・スズムシ」の鳴く頃の花だから・・とか。栂池では「ああ〜、秋だなぁ〜」と思えるくらいの、しっかり夏を終えた頃から見かけます。色は写真のものよりもっと薄い紫。背は高く1メートルより高くなるのもあり、細い茎の割に花が大きく、そのなんとはなしの不安定さ・危うさが印象的。薄〜い清楚な青の感じといい、周りに花らしい花が無い時期に咲いているあたりがなんかこう・・・どう表現したらよいものか。ここで面白いのが花言葉。派手で存在感のある植物の代表ヒマワリが「光輝・憧れ」、バラが「美・愛情」。高山植物の有名どころ、チングルマといえば「可憐」。自然園の水芭蕉は「変わらぬ美しさ」。見た目地味な路線、一人静は「隠れた美しさ」。植生そのままを表現しているユキワリソウの「忍耐」等々、まぁまぁいろいろあるわけですが、さてマツムシソウはというと、「不幸な愛情・私は全てを失った・あなたは私を見捨てる・恵まれぬ恋・悲しみの花嫁」・・・いやはや・・参りました。
 さて、さすがに八方尾根の八方池周辺、標高にして2000メートル近辺ではもうタカネマツムシソウが咲き出しました。高山植物というと普段見慣れないこともあり、必至に覚えようとすれども覚えた端から忘れてく・・・標高が高いせいかしら、それともやっぱり歳・・なんて笑ったりするのですが、この花のように里山で親しんでいる「カタチ」が、そのまま色こそ多少違えど有るのを発見すると、「あ、あれだ!!」と知人に会ったような嬉しさを覚えるものです♪標高によって色が濃くなったり薄くなったり・・タカネマツムシソウは里のマツムシソウ濃い色をしていますが、「家の庭のよりも随分と濃い色してるのねぇ!」、そういうふうに比べられる、高山植物の中では立場的に稀で、貴重な花なのではないかと思います♪
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