チングルマ 「稚児車」 バラ科 栂池自然園 7/25
  
 高山植物の中では知名度抜群!しかしながら意外にも、左写真と右写真が同じ「チングルマ」であることを紹介すると「エェッ!!」と驚かれることが多いのです。花の時期に訪れた方にとっては無理も無い話ですが、「タンポポ」をイメージしていただくとその花の変わり様を納得していただけます。実際右写真の糸状になった「実」を1本引き抜いてみると、付け根には種が付いてます。まだ目撃したことは無いのですが、どうやら風に乗ってふわふわ飛ぶらしい。和名の由来は、この右写真の状態が赤ちゃんをあやす「稚児車」に似ていることより。しかしながらその「稚児車」、それ自体「何ですか?」と尋ねられる時がそのうち来るのではないかと、まぁ説明しながらよく思ったりするわけです。トイザラスには多分置いてないだろうしなぁ・・。
 写真中央はその変体の一過程。チングルマ比較的群落の単位で咲いており、その斜面や日当たりや生育の環境などが影響するのかな、こっちの群落が花の状態であるのにすぐお隣の群落はもう「稚児車」状になっていたりします。変体過程を観察するにはもってこいの状況!ぜひしゃがんでゆっくりと覗いてみてください。この伸びていく毛の生えている部分は実がなっているから雌しべ。何本も伸びているわけですから雌しべもたくさんあるというわけです。雄しべもたくさんあります。花というと中央に太い雌しべが1本あって、それを取り囲むように雄しべが何本か・・・なんてイメージがありますが(・・僕だけ?)、こういうタイプも結構あるんですね!
 さてチングルマは木本植物、いわゆる「木」なんです!「草」じゃない〜♪まぁ、木本植物とは何ぞやというと、「木を形成する組織が発達し、多年生の地下茎がある植物」という説明が図鑑に載ってます。じゃぁ「年輪があるの?」というと、木ですからしっかりあって、マッチ棒くらいの太さで既に10年選手!地面からの高さが10cmのものはもう30年選手というから驚きです!!うーーーん、ということはチングルマの群落は「チングルマの森」ということになりますか・・・。
 でもって最後にチングルマは「バラ科」。葉っぱが5枚でバラバラに付いているからバラ科ぁ〜・・とは有名な小野木三郎先生の十八番(笑)♪小説では山岳小説の「雪のチングルマ」(新田次郎 著)がありますね。たしか冬の上高地、釜トンネル近辺から始まる怪談風のお話だったような気がしますが・・・チングルマがどう関係してしてるんだったかな(笑)??
 紅葉の時期、白馬大池付近のチングルマの様子もUPしております。 
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