爽秋の白馬原風景、青鬼集落を歩いてきました! 企画:いいとこずら白馬
2001年9月20日


さて、今回の「いいとこずら白馬」、白馬の北東端、標高760メートルの集落「青鬼」を歩きます。ここ青鬼には現在15戸の民家があり、一帯が重要伝統建造物保存地区に指定される、まさにフォークロア、日本昔話の世界!青鬼(アオニ)というその地名も、昔、裏の岩戸山の洞窟に青鬼が住んでいた、ということよりその名がついたという説が有力。この鬼、実は一般的なイメージの恐い鬼などではなく、冠婚葬祭などの折、お膳やお箸が足りなくて困っていると取り揃えてくれたという・・なんだか世話好きな・・好感度の高い鬼なんです!地元の人には「お善鬼様」と呼ばれ親しまれていた・・ということです!
さてさて信州、こうした地区の入口や出口には必ず道祖神や石仏が見られます。左写真は道祖神。早速今回の講師、田中欣一先生が皆にした質問がこれ、「どっちがオトコかわかりますか?」。「・・・・・」「右」「左」「背が高いほう」「・・・」等々参加者よりいろいろな意見が出ます。さて正解は、「杯を持っているほうが男性です!」と田中先生。参加男性一同納得(笑)!
同じ場所には他に庚申塚があり、庚申信仰についてや、また庚申信仰の神が帝釈天であり、東の総本山があの寅さんの柴又の帝釈天であることなどなど、なんだか妙に納得!ちなみに西は大阪の四天王寺とか・・。右写真は石仏で、馬頭観音は馬の、大日如来は牛の供養を表します。ポコンと離れた場所にある感の強い青鬼集落ですが、こういった石仏より、実は街道の要所であったことが伺えます。しかし稲がまた見事ですね!
見事といえばこちらの名水もミゴトにカンドー!青鬼神社に上がる途中を左、杉林のなかに忽然と現れる桂の大木。ここの根元から水が湧き出しており、これが上水道のない青鬼地区の水源なんですね。名前を「桂の清水」、なんかいいネーミングじゃぁないですか!貴重な生活水源のため、近くには寄れないようになってます。飲もうとして土を崩したり、またごみを近くに捨てたりと・・こういったことは絶対してはいけませんネ!
一行は神社よりさらに上がり、青鬼堰沿いを東へ進みます。さて、この堰といえば小谷村にも明才堰というのがあり、同様に、田んぼに水を引く為の一大土木事業。昔、建設機械の無い時代にすべて人の力で、しかも村のことですから作業はボランティアだったわけです。上流部の沢より緩い勾配で引いた田んぼのための引水堰。勾配をどうして図ったかというと、夜中に提灯を灯し、それを対岸から見て、あそこが下がり過ぎとか上がっているとか判断したそうです。知恵ですよね!そうして維持した田んぼは現在、日本棚田百選に選出されています。「夏草の生い茂る今の時期よりは、実は春先の風景が棚田らしくてきれいだよ!」とおっしゃるのは田中先生。一棚田好きを自認する僕です、クロカンのスキーでも持ってこようかしら・・なんて考えたことは言うまでもありません、ハハハ(笑)!以上、青鬼レポートでした!

★青鬼集落には観光用の駐車場、または公衆トイレ等の設備がありませんのでご注意ください。
★ちなみに一昨年、昨年の棚田スキー(カナダスキーじゃないのん)の模様はこちらから!00年 01年